先日、10月度の写偈を開催させていただきました。
住職法話は、『正信偈』の天親菩薩章の最後のところです。天親菩薩は『浄土論』で「一心」ということを著わされました。
親鸞聖人は、この一心とは、ふた心なく、阿弥陀様だけにお任せし、阿弥陀様が仰るとおりにお念仏を称えさせていただくことであるとし、これこそが正しい信心であると明らかにされました。
今回は、その信心によって得られる利益について、
現在世での利益
未来世での利益
の二つがあることをお話しさせていただきました。
私たちは信心をいただいた今、その姿のまま、往生と成仏が決定した「現生正定聚」の位につかせていただける。
さらに、臨終と同時に浄土に往生すると、阿弥陀仏と全く同じ自他一如の仏となり、何の苦もなく、迷いの世界の衆生を自在に救済できるようになる。
この二つの利益が一心、すなわち正しい信心には具わっているいるのです。
今、私たちの存在は煩悩そのものでありますが、阿弥陀様から信心を賜り、私たち自身が仏となることは、一切衆生を救済することになっていくのです。